
乳がんとは、乳腺の中にある乳管、もしくは小葉とよばれるところにできる悪性腫瘍のことです。その腫瘍は、さわったときにしこりが硬く、動きにくいのが特徴です。良性の場合はゴムボールのように弾力がありますが、がんは石のように硬く、まわりの組織に癒着しているため、さわっても動きにくいといわれています。ただし、乳がんにはいろんな種類があり、嚢胞に包まれている場合にはやわらかく、さわっても動きやすいこともありますので、自分で「大丈夫だ」と決めつけてしまうのは禁物です。しこりがある場合には、必ず乳腺外科を受診しましょう。
乳管や小葉で派生したがんは、その中でとどまっているうちは「非浸潤がん」と呼ばれますが、がんが基底膜を破って周囲の組織に広がると、「浸潤がん」となります。
「非浸潤がん」は、基本的にリンパ節やその他の臓器に転移はみられませんが、「浸潤がん」ではその危険性が高まります。乳がんには、乳頭に湿疹ができるパジェット腫瘍と呼ばれるものや、乳房がオレンジの皮のように赤くなる炎症性乳がんとよばれるものもあります。

乳がんがもっとも発生しやすいのは、乳房の上部わき側で45%、次いで多いのは上部内側で23%、下側は、上側より発生率が低い傾向にあります。
乳頭にある約20個の乳口のひとつから分泌物がある場合は、しこりが感じられなくてもその奥にがんがある可能性があります。
日本で乳がんになる人は、欧米に比べて少ないとされていましたが、ライフスタイルの変化にともなって、年々増加傾向にあります。現在では女性がもっともなりやすいがんといわれています。
なんと、わが国日本は、先進国において唯一、乳がんによる死亡者数が増えている国でもあります。数十年前までは先進国の中でも罹患率が低かったのですが、現在では30~60代の女性の約20人に1人が乳がんになるといわれています。2000年のデータによると、乳がん罹患率は3万4,307人で、それまでの20年間で約2.4倍も増えたということになります。今や乳がんは、女性がもっともかかりやすいがんとなり、その数は今後も増え続けると予測されます。
日本での乳がんは、欧米より比較的若い世代30~40代にかけて急増している傾向がありますが、最近では高齢者の乳がんも増加傾向にあり、閉経後でも乳がんになる可能性は少なくありません。そして残念ながら、亡くなる方も増加し続けています。2004年度には乳がんで亡くなった方が、1万人を超えてしまいました。
これはひとえにマンモグラフィ検診の受診率の低さが原因と考えられています。マンモグラフィ検診は痛い!乳がん検診は怖い!と敬遠されていらっしゃる方、乳がん自体は早期に発見できて適切な治療を受ければ90%以上が治る病気です。家庭においても、社会においても、もっとも頼りにされる年頃の女性がなりやすいだけに、転ばぬ先の杖として、ぜひともマンモグラフィ検診を受けましょう!